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「岡山御津お正月研究会」が発信する岡山の中山間地域の魅力vol.2〜柿やシイタケなど地域の作物を使った特産品づくり

「岡山御津お正月研究会」が発信する岡山の中山間地域の魅力vol.2〜柿やシイタケなど地域の作物を使った特産品づくり

おいしくて栄養価バツグンの干し柿と干しシイタケが完成!

豊かな自然に恵まれた岡山市北区御津(みつ)大野地区。この地区や隣接する地区で採れた作物を使った特産品づくりが、今年から始まりました。

「岡山御津お正月研究会」のメンバーがお正月飾りづくりをしているとき、「干し柿や干しシイタケを特産品にできないか」という話が出たのが発端となり、試行錯誤した結果、食品乾燥機を導入。本格的に干し柿、干しシイタケづくりが始まったそうです。

天日干しと食品乾燥機の併用で柔らかくおいしい干し柿に

大野地区には、干し柿に向いている渋柿があまりなかったそうで、隣接している西久保地区の渋柿を譲ってもらって、干し柿にした。品種は、岡山県北地域で多く作られている「西条柿」。縦長で側面に4本の筋が入っているのが特徴です。

西条柿は、広島県の西条(現東広島市)が原産といわれ、西日本では古くから作られてきた品種。西条柿を特産品としている島根県についで、岡山県は全国で2番目に出荷量が多いそうです。

作り方は、まず柿の皮をむき、むいた柿同士がくっつかないようにひもで結び、連結させます。次に結んだ柿を沸騰したお湯に入れて殺菌し、柿の水分を拭き取ってから風通しと日当りの良いところで乾燥させます。 通常は、2週間ほど屋外で乾燥させれば干し柿が完成するそうですが、大野地区では2、3日天日干しで乾燥させ、天気が悪い時は食品乾燥機に入れて乾燥させて、再度天日干しを繰り返し、種が取れやすくなるように外側が乾燥した時点で柿をもみほぐすなどの工夫を凝らしたそうです。

そのような行程を経て、大野地区の干し柿「照柿(てりがき)」が完成しました。この名前は、夕陽に照らされたような濃い橙色をしていることと、日に照らされてできた干し柿でもあることから名付けられたそうです。

「照柿」は、柔らかくて食べやすく、とびっきりの甘さがあり、これまで食べた干し柿のなかでも、ダントツのおいしさでした。表面の白い粉は、柿の水分が飛んで乾燥したことによって染み出た糖分です。この白い粉が多いほど、柔らかくて甘いと言われています。干し柿は、通常の柿よりもβカロテンやビタミンAが多く含まれているため、食べると血行が良くなり、胃腸を丈夫にし、風邪の予防に役立つと言われています。まさにこの季節にピッタリの食べ物ですね。

シイタケの産地として有名だった大野地区で、シイタケを再生産

山に囲まれている大野地区では、数十年前まで原木を使ったシイタケの栽培が盛んだったそうです。シイタケ栽培で生計をたてている人もいたそうです。しかし、シイタケは同じ場所で作り続けていると収穫量が減ることや、住民の高齢化もあり、近年ではシイタケを栽培している人の数も減少の一途を辿っています。

その大野地区で再びシイタケ栽培を活性化させようと、「岡山御津お正月研究会」のメンバーが干しシイタケづくりを始めました。4月上旬、お正月研究会のメンバーと地元の方が原木林に入り、シイタケの栽培に使えるぐらいの大きさのカシワの木を切り倒しました。この木を1メートルぐらいの長さに切り原木とします。

その後、玉切りされた原木に電気ドリルなどで穴を開け、シイタケの菌糸が入った「種駒(たねこま)」を植え付けます。原木は風通しが良く、菌糸が繁殖しやすい場所(ほだ場)に置きます。

シイタケは11月になると発生し、春頃まで数回収穫できるそうです。収穫したシイタケは天日干しにした後、仕上げに食品乾燥機に入れて、干しシイタケが完成。こちらは「招福干し椎茸」というお正月らしい商品名が付けられました。シイタケも天日干しにすることで、旨みやビタミンDが増えるという特徴があり、生シイタケに比べると戻し汁も料理に使えることから、おせち料理など和食を作るときに重宝する乾物です。

「岡山御津お正月研究会」とは?

岡山市北区御津大野地区は、宇甘渓(うかんけい)の下流部に位置する人口18人の住むエリアで、ゲンジボタルなど希少な生き物が生息しています。

そのような環境の中、地域でできることを行い、農村部と都市部の交流や地域内のやりがいづくりを目的として、2018(平成30)年9月に立ち上げられたのが「岡山御津お正月研究会」です。

お飾りやとんど焼などの正月に関する農村文化を継承し、地域の魅力を体験するプログラムを実施することから団体名が付けられました。これまで同地区で採れた大麦を使った麦ストローや麦茶、ストローオーナメントなどの商品を開発しています。

「岡山御津お正月研究会」が作った「照柿」と「招福干し椎茸」は、「JA岡山農産物直売所 はなやか津高店」(岡山市北区横井上793-1)で販売しています。

商品のお問い合わせは okayamaoshougatsu@gmail.com まで。

文章・写真:片岡清・宮嶋泰明

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