大都会おかやまMAGAZINE

「岡山御津お正月研究会が発信する岡山の中山間地域の魅力vol.1〜100%ナチュラルな麦ストロー作り

「岡山御津お正月研究会が発信する岡山の中山間地域の魅力vol.1〜100%ナチュラルな麦ストロー作り
国内外に広がる「脱プラスチック」の動き 
岡山からも地域発の環境保護の取り組み

これまで冷たい飲み物を注文すると、当たり前のように付いてきたプラスチック製のストロー。しかし、プラスチックゴミによる海洋汚染の深刻化から、プラスチック製ストローを廃止または見直ししようという動きが世界中に広まっています。
プラスチック製ストローの代替品として注目を集めているのが、大麦の茎を使った「麦ストロー」です。代替品と書きましたが、英語の「ストロー」とは、「麦わら」のことで、もともとストローは麦で作られていた歴史があるのですから、原点に立返ったと言ったほうがいいのかもしれません。
現在、全国で「麦ストロー」を生産する企業や団体が増えていますが、ここ岡山でも地元で採れた大麦を使った「麦ストロー」作りに取り組んでいる地域活動団体があります。
2018(平成30)年9月に発足した「岡山御津お正月研究会」です。

「岡山御津お正月研究会」とは?

岡山市北区御津大野地区は、宇甘渓(うかんけい)の下流部に位置する人口18人の住むエリア。ここには、ゲンジボタルなど希少な生き物が生息しています。
そのような環境の中、地域でできることを行い、農村部と都市部の交流や地域内のやりがい作りを目的に、立ち上げられたのが「岡山御津お正月研究会」です。
お飾りやとんど焼などの正月に関する農村文化を継承し、地域の魅力を体験するプログラムを実施することから団体名が付けられました。

「麦ストロー」を作って、使って、山から海への手助けを

これまで竹林整備体験やタケノコ堀りなどのイベントを行ってきた同会が、次に取り組んだのが、「麦ストロー」作り。「プラスチックのゴミが海岸を汚したり、海の生き物に悪影響を与えたりしないようプラスチックのストローの代わりに、自然素材の『麦ストロー』を素朴な農村生活の中から提案しよう」という思いから始まりました。

おばあちゃんたちにも喜ばれている「麦ストロー」作り

「麦ストロー」に使用する麦は同地区で採れた大麦です。無農薬で栽培した大麦を手刈りで収穫し、天日干しを行い、その後一本一本ハサミで麦の節を切っていきます。切った麦を沸騰した鍋に入れ、煮沸消毒を行い、乾燥機に入れて機械乾燥。水分をすべて飛ばします。乾燥したストローを18センチ、20センチのサイズにより分け、商品が完成。このような作業行程において大活躍しているのが、同地区に住んでいるおばあちゃんたち。「麦ストロー」作りは、おばあちゃんたちのやりがいとなり、貴重な内職としても喜ばれています。

一本の麦から3種類の商品が誕生

8月には、完成した「麦ストロー」を使い、「麦ストローで手作り麦茶を飲もうワークショップ」が行われました。大麦の穂をフライパンで焙煎して作った麦茶は、香ばしく風味豊か。子どもから大人まで「おいしい!」と大好評でした。
ストローにならない短い茎は、ストローの装飾品(オーナメント)に。インターンとして地域の活動に参加していた岡山県内の女子大学生たちも、ストローオーナメントの試作に携わり、彼女たちのアイディアが反映されたクリスマスオーナメントが完成しました。麦茶とオーナメントも商品化、販売の予定だそうで、一本の麦から「ストロー」、「麦茶」、「オーナメント」と無駄なく季節も味わえる3種類の商品が誕生しました。


「岡山御津お正月研究会」が作った「麦ストロー」は、岡山市や倉敷市のカフェやイベントで使われていて、好評を得ています。
問い合わせは okayamaoshougatsu@gmail.com まで。

文章・写真:片岡清・宮嶋泰明
編集:松原龍之